音楽が大好きになる映画 ”はじまりのうた”
今回紹介する映画は、
はじまりのうた/ Begin Again
2013年に公開された映画です。
あらすじ
舞台はニューヨーク。シンガーソングライターのグレタ(キーラ・ナイトレイ)は、同じミュージシャンの恋人デイブ(アダム・レヴィーン)に裏切られ、失意のままライブハウスで歌っていた。そこに偶然居合わせた落ち目の音楽プロデューサー、ダン(マーク・ラファロ)はグレタの才能に惚れ、彼女にデビューの話を持ちかける。ところが、その録音はニューヨークの街角で行うという。セントラルパークやチャイナタウン、橋の下、路地裏、ビルの屋上、地下鉄のホームなど、グレタのゲリラレコーディングは続いていくが、この無謀な企画が小さな奇跡を起こし始める。やがてアルバムが完成したその日、誰も予想できなかった最高の始まりが待っていた。
感想
音楽を作りたくなり、歌いたくなり、踊りたくなり、そしてプロデューサーをしてみたくなる。そんな音楽が大好きになる映画でした。イヤホンで音楽を聴くと、周りの風景が一気に雰囲気が変わる経験は誰しもがあると思います。”音楽の魔法だ。平凡な風景が意味のあるものに変わる”イヤホンで音楽を聴きながら夜の街を練り歩く2人は、ある意味現代的で、ある意味プリミティブな”音楽大好き感”が伝わってくる大好きなシーンでした。
映画詳細
ジャンルはロマンス・音楽で上映時間は104分です。
アメリカの人気バンドのボーカルであるアダム・レヴィーンが出演していて、彼が歌っている劇中歌の『Lost Stars』が第87回アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされた。そしてこの映画は、全米5館の上映が口コミで人気を獲得し1300館にまで広がった。
スタッフ・キャスト
監督
ジョン・カーニー 「ONCE ダブリンの街角で」
主演
キーラ・ナイトレイ 「パイレーツ・オブ・カリビアン シリーズ/エリザベス役」
70歳のインターン!? ”マイ・インターン”
今回紹介する映画は、
マイ・インターン/ The Intern
2015年に公開された映画です。
あらすじ
家庭を持ちながら何百人もの社員を束ね、ファッションサイトを運営する会社のCEOであるジュールズ(アン・ハサウェイ)は、女性なら誰しもが憧れる華やかな世界に身をおきながら、仕事と家庭を両立させ、まさに女性の理想像を絵にかいたような人生を送っているかに見えた。しかし、彼女に人生最大の試練が訪れる。そんな悩める彼女のアシスタントとして、会社の福祉事業として雇用することになった40歳年上のシニア・インターンのベン(ロバート・デ・ニーロ)がやってくる。人生経験豊富なベンは彼女に最高の助言を与え、2人は次第に心を通わせていく。やがて彼の言葉に救われたジュールズは、予期せぬ人生の変化を迎える、、。
感想
なんとも言えない映画全体のあたたかさ。ベン(ロバート・デ・ニーロ)の”年の功”による助言によって登場人物たちが一人一人幸せになっていく様は、どこかベンの存在が神々しさすら感じます。自分の周りにいるご長寿、そんな人たちへの敬意をもっと持ちたくなる、そんな優しさに溢れた映画でした。
映画詳細
ジャンルはコメディ・ドラマで上映時間は121分です。
当初、監督のナンシー・マイヤーズはベン役に「恋愛適齢期」でコラボして以来、次回作を模索していたジャック・ニコルソンを希望していたが、ニコルソンの健康上の理由でデ・ニーロに落ち着いたという経緯がある。
スタッフ・キャスト
監督
ナンシー・マイヤーズ 「恋愛適齢期」「ホリデイ」
主演
ロバート・デ・ニーロ 「アイリッシュマン」 「ゴットファーザー」
我らが人生に悔いなし! ”最高の人生の見つけ方”
今回紹介する映画は
最高の人生の見つけ方/ The Bucket List
2007年に制作された映画です。
あらすじ
46年間、家族のためにひたすら働いてきた自動車整備工のカーター・チェンバース(モーガン・フリーマン)。彼は学生時代、哲学の教授から勧められ”棺桶リスト”を作ったことがあった。それは、自分達が棺桶に入る前に、やりたいこと、見たいものすべてを書き出したリストのことだった。とはいえ、カーターの前には現実という壁が立ちはだかった。結婚、子供、様々な責任。そのうち”棺桶リスト”は、そのチャンスを失ったという苦い思い出と、仕事の合間に時折思い出す程度の空想に変わっていた。一方、会社を大きくすることに人生をつぎ込んできた大金持ちの実業家エドワード・コール(ジャック・ニコルソン)。多忙な人生を過ごしてきた彼は、企業買取や美味しいコーヒーを飲むこと以上に、より深く自分が求めているものについて考えることさえできなかった。対照的な人生を歩んできた、出会うはずのない2人。しかし彼らは、ガンで余命6ヶ月と宣告され、病院のベッドで隣に合わせたことから、人生に最後を共に過ごす仲間となる。
感想
映画の教科書のような素晴らしい構成に、ロードムービー的旅気分も味わい、そして考えさせられます。そして何より、2人の熱い絆に胸が熱くなりました。カーターが語る、人生の価値の指標。”家族や友人によって量られる””信仰心による””愛だ””自分を認めてくれる人がいるか”。この映画を通して、人生を賭して財を築いたエドワード、最後まで家族と寄り添うことを説くバージニア、家族から離れ、静かにエドワードに寄り添うカーター。人生の最後に直面した時、何を第一に考え、どう行動すべきか。それぞれに感情移入してしまう不思議な感覚があり、同時にいろんな価値観を学べる映画でした。
映画詳細
ジャンルはドラマで上映時間は97分です。
2019年に日本でリメイクされた映画もあります。
アメリカでは2007年に12月25日に先行上映、2008年1月11日に拡大公開され、週末の全米興行収入で1位を記録。
監督・キャスト
監督
主演
ジャック・ニコルソン 「シャイニング」
コメディ戦争映画 “ジョジョ・ラビット”
今回紹介する映画は
2019年に公開された映画です。
あらすじ
第二次世界大戦下のドイツ。心優しい10歳の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、青少年団ヒトラーユーゲントで立派な兵士になるため、日々奮闘していた。そんなジョジョを助ける友達が、空想上のアドルフ・ヒトラーこと”アドルフ”(タイカ・ワイティティ)だった。しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官のクレツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)から”ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名を付けられ、仲間たちからからかわれる羽目に。そんなある日、ジョジョは母ロージー(スカーレット・ヨハンソン)と2人で暮らす家の片隅に、小さな部屋が隠されていることに気付く。そこでこっそり匿われていたのは、ユダヤ人の少女だった。ジョジョの頼りになるのは、ちょっぴり皮肉屋で口うるさいアドルフだけ。臆病なジョジョの生活は一体どうなるのか...?
感想
戦争映画として、ヒューマンコメディ映画として、ジュブナイル映画として、最高の仕上がりでした。主人公のジョジョ10歳が、第二次世界大戦のドイツで起きているヒトラー支配下、ユダヤ迫害という背景で、どんなことが正しいか、どんなことが間違っているかを考え、どんなものを受け取って成長していく様に見所を感じました。応援したくなるほどキュートなジョジョ、その友人の丸いヨーキなど個人的に推したくなるキャラクターが満載でどれも優しくて好きでした。おそらくこの物語のキーはジョジョの空想上の友達アドルフ。まんまヒトラーだけれど、ナチスの精神を時にはポジティブに、時には残虐的に、いい意味でジョジョを支え、悪い意味でジョジョを洗脳するキャラクターで、監督自身が演じているだけあって物語のターニングポイントにおいて良い立ち位置だと思いました。彼の存在のおかげでシリアスなシーンもポップに見えました。
映画詳細
ジャンルはコメディ、戦争で上映時間は108分です。
この作品は、第44回トロント国際映画祭最高賞受賞、さらに第92回アカデミー賞作品賞・助演女優賞等6部門にノミネートされました。
そして、この作品の主人公役のオーディションは難航したそうですが、それを一発で終わらせたのがジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスだそうです。
スタッフ・キャスト
監督
タイカ・ワイティティ 「マイティー・ソー バトルロイヤル」
主演
ローマン・グリフィン・デイビス 「ジョジョ・ラビット(デビュー作)」
スカーレット・ヨハンソン 「ブラック・ウィドウ」「ルーシー」
タイカ・ワイティティ 「フリー・ガイ」「ザ・スーサイド・スクワット 極悪党、集結」
少女と殺し屋の絶妙な愛の形 "Leon"
今回紹介する映画は、
Leon
1994年に公開された映画です。
あらすじ
舞台はニューヨーク。レオン(ジャン・レノ)は完璧に仕事を遂行する一流の殺し屋。一日2パックの牛乳と肉体のトレーニングを欠かさない彼の唯一の楽しみは、安アパートで自分と同じように根っこを持たない鉢植えの観葉植物に水を与えること。彼の隣の部屋に住む12歳のマチルダ(ナタリー・ポートマン)もまた、家族から疎ましがられる孤独な少女。ある日、不気味な男スタンフィールド(ゲイリー・オールドマン)と部下たちが彼女の父親を訪ねて、預けたヘロインをかすめ取った奴がいると言い、明日の正午までに盗んだ奴を捜せと告げて帰る。翌日、スタンフィールドと仲間たちはマシンガンを手にアパートを襲撃し、たった4歳の弟も含めてマルチダの家族を殺した。
感想
映画を通して、身の上が違いすぎる2人の心の距離がゆっくり近づいていく。大人びていて積極的なマチルダ(ナタリ・ポートマン)にレオン(ジャン・レノ)が戸惑いながらも次第に心を寄せ、力強く守っていく様子はとてもカッコいい。後半は、まるで違う映画を見ているかのような怒涛のアクションにも痺れました。そして、2人の世代を超えた愛の形が迎える結末があり、他のガンアクション者の映画にない、力強さと儚さを感じました。
映画詳細
ジャンルはアクション/ドラマで上映時間は110分です。
この映画のヒロイン役のナタリー・ポートマンのデビュー作がこの作品です。
彼女はこの役を2000人にも及ぶ候補者の中から、マチルダの役を手にしました。
最初は年齢が若すぎるため、キャスティング・ディレクターからお断りの連絡を受けたが、それでもオーディションでの彼女がマチルダが弟の死を嘆く演技があまりにも圧巻に感じた監督のリュック・ベッソンが彼女を抜粋したという話もあります。
ウディ・アレンの問題作!? ”A Rainy Day In New York”
今回紹介する映画は、
A Rainy Day in New York
2019年に公開された映画です。
あらすじ
大学生カップル、ギャツビー(ティモシー・シャラメ)とアシュレー(エル・ファニング)は、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。アシュレーが学校の課題で、著名な映画監督にマンハッタンでインタビューするという。生粋のニューヨーカーであるギャツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーに街を案内したくてたまらない。ギャツビーは、自分好みのクラシックを巡るため、様々なプランを考えていた。一方、ニューヨークに到着して早速、監督へ取材を行ったアシュレーは監督から新作の試写に誘われ、ギャツビーとの約束をキャンセル。脚本家や人気俳優と出会い、「最高の1日だわ」と興奮するばかり。そんななか、ギャツビーは、学生映画を撮影中の旧友に偶然再開。元恋人の妹であるチャン(セレーナ・ゴメス)とのキスシーンにエキストラとして参加し、熱い口づけを交わしてしまう…。
感想
ニューヨークを舞台にセンスある会話とユーモアそして奇想天外なストーリー。どんな人生にもドラマがあるし、雨の風景がそこに情緒を与えてくれます。雨のマンハッタンを眺めているだけで心地いいし、他人の恋心の揺らぎにドキドキします。
映画詳細
ジャンルはコメディ・ラブロマンスで、上映時間は92分です。
実はこの作品は、ハリウッドでは様々な事柄の影響で無期限上映禁止となっている作品です。監督のウディ・アレンは過去の行いを糾弾されていました。その結果、出演者たちは、この映画から収入を受け取ることを拒否し、寄付に回している人も多いとされています。しかし、何があっても悪いのは人であり、完成した映画は悪くありません。
AIが発達した社会の先には。 ”her”
今回紹介する映画は
her
2013年アメリカで公開された映画です。
あらすじ
近未来のアメリカ・ロサンゼルス。顧客の想いを代筆することを仕事にしているセオドアは、妻キャサリンに去られ失意の日々を過ごしていた。見かねた友人のエイミーが彼に女性を紹介しようとしても、断る始末だった。そんな中、人工知能型OS”サマンサ”に興味を持つセオドア。サマンサは実態を持たないものの、話してみると驚くほど個性的で人間味に溢れていた。以来サマンサに魅了され、相談事や寝る前のささやかなやりとりをし、携帯電話に移して外出するなど、彼女と会話するひとときが大切なものになる。サマンサにとってもセオドアを通して見る外の世界は驚きに満ちていた。やがて二人の間に恋が芽生えるが…。
感想
人間はなぜ恋をするのか。どれだけテクノロジーが発達しても、その答えはきっと見つからないし、見つけるべきものではないのでしょう。恋は自然界でプログラムされたものではない、人間が独自に持つもの。恋さえなければもっと楽に生きていけるのに、恋のない人生ほどつまらないと思う人もいるだろう。でも、それは同時に人間であることの証明だとも思います。映画のテーマから話がかなりそれましたが、こうした、いろいろな感想・妄想を抱かせてくれる素敵な映画です。たとえハマらなくても、観る価値はあったと思わせてくれるはずです。
映画詳細
ジャンルはラブロマンス・SFで、上映時間は126分。
この作品の主役を務める男性(役:セオドア)は後2020年のアカデミー賞にてジョーカーを演じてアカデミー主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスです。そして、この作品のAI役でその声を演じたのは映画アベンジャーズのブラック・ウィドウを演じるスカーレット・ヨハンソンです。さらに、この声だけの主演で史上初第8回ローマ国際映画祭で「最優秀女優賞」を受賞し、より彼女への注目度は高まりました。
現在この作品はAmazon(PrimeVideo)・U-NEXTで視聴が可能です。